さて今日は、リクエストのあった「ジャイロのフライホイール」が作れるのかどうかテストをしてみました。
フライホイールなので、できるだけ重くしたい。形状は単純な円盤でよいようです。そこで、slic3r の設定をいじって「詰め物(Infill)」をぎっちり塗り込める rectliner ??? にしてみました。
プリント開始の数 layer は順調に動いています。ちょうど時間となったので、造形はそのまま放置して、別の部屋での別の卒論テーマの打ち合わせに向かいました。
卒論打ち合わせを終えて、さてできたかな〜と、戻ってみると……
大惨事(;_;)この写真は、事後に造形物(?)を再度テーブルに載せ直して撮った「再現写真」ですが、造形物自体は本物です。とにかく、こんなかんじで、ぐちゃぐちゃになっておりました。
これはすなわち、ABS の熱変形での円盤の反り返りがひどくなり、どこかの時点でホットベッドから造形物が完全にはがれてしまったのが原因と思われます。はがれた造形物がヘッドに引っかかってあらぬところに移動してしまい、その位置でしばらく造形努力(^^;)したのちまたひっかかって移動、またしばらくその位置で円盤のようなものを造形努力し…、しまいにはヘッドにふりまわされて一カ所にぼて山ができ……、という具合で、このような「おせんべいのできそこない」みたいなモノになったと予想されます。
いやはや、ついに皆が通る道、必修科目「ABS熱変形対策」を履修するときがやってきたようです。
今日はとりいそぎ、事故の原因を確認するために「再現実験」を試みました。同じ造形物をもういちどプリントしてみます。こんどは3Dプリンタの前を離れずに、じっくりと現象を観察します。
層を積み重ねるにつれて、だんだん円盤の端の方が反って浮き上がってきました。造形が進むにつれて反り返った造形品にヘッドが当たるようになり、反った部分を下に押しつけるような動作になります。これは「全体を剥がしにかかっている」ことと同じですぞ。
24 層中 17 層まで造形が進んだときに、遂に全体がベッドから剥がれてしまいました。証拠を押さえたぞ。緊急停止。
これはいよいよ、facebook のユーザーグループの記事に頻出するのであらかじめ仕入れてあった「ケープ」の出番かもしれません。今日は時間切れで、ここまで。
反ってゆがんでいる途中までの造形品を依頼主の学生に渡して、いちおうダメもとでモータに取り付けて、回してみました。かなりぶれがありますが、なんとなくジャイロのような復元力は感じられるようです。反りのない正確なものなら、もう少し改善しそうです。